ロゴマークについて

ごあいさつ

『ぐるぐるグループ』を
体験してみませんか?

渡部京太(国立国際医療研究センター国府台病院児童精神科)

渡部京太(国立国際医療研究センター国府台病院児童精神科)

 広尾の日本赤十字看護大学で開催された第31回大会の初日に、学会の理事長をまもなく終わられる相田信男さんから「第33回大会をやってみない?大会長をすると、チーバくん(千葉県マスコットキャラクター)を学会に呼ぶことができるじゃない」と声をかけられました。そんなことがあったものだから、いつもと違う心持ちで大会に参加することになりました。第31回大会は高林健示さんのこだわりが細部まで利いていました。最終日午後の大グループでは、参加しているメンバーはいろんなことを連想し,言葉にしようとしているのだろうと私は感じ、グループの渦にまきこまれていくような気がしました。第32回大会を引き受けられた権成鉉さんが挨拶をされ、大会のテーマが“「集団精神療法における治療文化と歴史性について」”とお話しされて、第31回大会は終わりました。
 第31回大会が終わった少し後の日曜日に、子ども2人が珍しく私の書斎に入ってきました。書斎とは言っても、リビングの一画のうなぎの寝床のようなスペースです。そして、2人は第31回大会のプログラムを見つけて手にとって見始めました。中学入学を控えた長女はこの春休みが終われば、中学校という新しいグループに入ることになります。珍しく書斎に入ってきたのは新しいグループに入る心細さがあるのかもしれないなどとぼんやり思っていると、長女は「集団精神療法?グループ?お父さんは、何グループに入っているの?」と尋ねてきました。すると、小学2年の長男が「お父さんのグループはねー・・うーんと・・うーんと・・『ぐるぐるグループ』だ!」と話し、2人はへらへらと笑いながら書斎から転がるように勢いよく出て行きました。長男の「『ぐるぐるグループ』だ!」という言葉を聞いた瞬間に、第31回大会最終日午後の大グループで私の感じたグループの渦にまきこまれていく感じと渦を横から見ると螺旋階段のようになっている感じ ー過去から現在、そして未来へと時間が流れる感じー が、私の中で『ぐるぐる』とひとつになりました。第33回大会の大会長を引き受けようと思い、第33回大会のテーマは成長を取りあげ、サブタイトルには『ぐるぐるグループ』という言葉を入れようと決めたのです。
 私は第33回大会を千葉県市川市国府台という場所で行いたいと思いました。日本集団精神療法学会の設立には、私が勤務している国府台病院がある千葉県市川市国府台という場所が関わっています。当時の国立精神衛生研究所は、国府台病院の敷地内にあり、日本集団精神療法学会設立のために1978年4月6日に国立精神衛生研究所の加藤正明所長のもとに数名の精神療法家が集まり、学会設立に向けての話し合いが始められたのです。そこで第33回大会は、和洋女子大学の岸田 宏司学長、松本 光先生、金子健彦先生をはじめとする先生方のお力添えをいただいて、学会設立所縁の地である千葉県市川市国府台、和洋女子大学にて開催させていただくこととなりました。和洋女子大学東館18階からは、スカイツリーだけではなく江戸川沿いの自然、“フーテンの寅さん”でおなじみの下町の光景を展望することができます。JR市川駅から和洋女子大学への路傍には、昭和の雰囲気が残っています。このような光景をお楽しみいただきながら、ぜひ第33回大会に足をお運びいただけたらと思います。
 『ぐるぐる』とした渦が大きくなってまきこまれ、とんでもない方向に運ばれていってしまうというイメージがあるかもしれません。『ぐるぐる』とまわっているだけで、袋小路にはまりこんで停滞していることをイメージされる方もいるかもしれません。“ぐる”は、示し合わせてたくらみをなす仲間といった意味で、ふつうは悪事をたくらむ仲間をさしていう言葉です。“ぐるになる”の“ぐる”は、“グループ”の“グル”が語源ではなく、江戸時代からある日本語だそうで、浄瑠璃や歌舞伎のなかで“共謀”と書いて“ぐる”と読ませている例があるといわれています。ひょっとしたらなのですが、浄瑠璃や歌舞伎の着物や帯に『ぐるぐる』とまきこまれるというイメージとつながっているのかもしれません。『ぐるぐる』という言葉には、『ぐるぐる』とこころを使って考える・連想するというイメージだけではなく、集団精神療法やグループへの抵抗や恐れにつながるイメージを含んでいるように思われます。グループがあらぬ方向に動き出しそうな時には声にならぬ声に耳を傾けて水を差すこと、袋小路にはまりこんだ時にこころの中に浮かんだことを言葉にしてみることで、グループは動き出すのでしょう。このようなことを『ぐるぐる』と考えていると、第33回大会にはみなさんの声を投げ入れていただくことで動き出すのだと思えてくるのです。たくさんの方々のご参加をお待ち申しております。そしていろいろな『ぐるぐるグループ』を体験してみませんか?
 なお、『ぐるぐるグループ』の文字やデザインはアート書道家の矢野華風さんに書いて(描いて)いただきました。ほんとうに素敵な『ぐるぐるグループ』のシンボルを書いて(描いて)いただいたと思います。

参考文献:
阿久澤克章,宮崎克也(2008):日本集団精神療法学会誕生までの経緯と歴史.日本集団精神療法,
24(2),204-207.

ロゴマークについて

「ぐるぐるがいつまでもどこまでもループしている=ぐるぐるグループ」
「ぐるぐる=渦に引き寄せ、巻き込み睦(6角形)になる」
「医療・患者・地域の3者が、そして人が手を取り合う形で共感・共有・共鳴をイメージ」

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児童精神科

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