ごあいさつ

 このたび、第34回大会の大会長を務めることになりました岡島です。大会は2017年3月18日・19日、埼玉県さいたま市の大宮ソニックシティで開催されることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 大会テーマは、「理論と実践を架橋する」としました。画数の多い漢字が並び、いかにも硬い感じを受けられるかもしれませんが、このテーマについて考えることは、われわれの学会の現在と未来を考えるにあたり、避けては通れないと思っています。
 本学会は日本における集団精神療法の基礎を確立し、それをもとに治療者を養成する努力が続けられ、大きな成果を挙げてきました。教育研修システムが開始されてから十数年が経ち、ここ数年は着実にグループサイコセラピストが誕生しています。学会により認定された治療者が増えることで、集団精神療法が臨床現場に広く浸透してきたと思います。ただ、その過程で"実際に体験すること"の重要性が叫ばれるあまり、グループのプロセスや治療効果について理論的に考えることがいくぶんおろそかにされてはこなかったでしょうか?
 実験に基づく理論形成と異なり、臨床における理論とは現場で体験することと対立するものではないはずです。治療の進め方に重大な欠陥がないか、治療者が見落としている事象がないかを検証するには、まず治療者が体験したことを何らかの形で客観的に記述する必要があります。それを体系的に整理し、より有効にするために特定の視点を取り入れれば、それはすでに理論化の第一歩です。このように本来は地続きのはずの理論と実践のあいだには、いつの間にか暗くて深い川が流れてしまったように思えます。今回の学会では、そこに橋を架けるチャレンジをしていきたいと思います。その一環として、しっかりとした理論的な足場をもって臨床活動をしている方々に実践について語っていただくシンポジウムを行う予定です。
 もう一つ、今回の大会は我々の学会にとって重大な節目となります。2017年度から学会が一般社団法人となり、新たなスタートを切った最初の大会なのです。これまでの学会の歩みを振り返り、これからの方向を見定めるために、学会の重鎮の方々に語っていただくプログラムを企画しています。
 来年の3月まで何が起こって、果たしてどんな学会になるのか、ドキドキでもあり、楽しみでもあります。
みなさん、来年春にぜひさいたまでお会いしましょう!

岡島美朗(自治医科大学附属さいたま医療センターメンタルヘルス科)

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