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当学会について

2025年9月2日

 2021年度から、日本集団精神療法学会の理事長を務めることになった田辺等です。私たちの学会は、1970年代にグループを活用した心理的支援の実践と臨床研究などを始め、1983年に正式に発足しました。学術大会は、2021年3月の大会で38回になりました。
集団精神(心理)療法とは、集団を編成し、集団に生じるこころの相互作用を活用して行う心理的支援の一方法を言いますが、私たちの学会では、医療の場だけではなく、保健、福祉、教育、専門職訓練、地域社会などの分野で実践される治療的・成長促進的なグループを幅広く対象としています。
そもそも最初の集団精神療法の実践は、20世紀初頭のボストンの内科医、プラット(Pratt, J.H.)の結核患者の「療養教室」(class method)と言われています。癌患者さんのグループも、障害者の家族のグループも、家族を喪った悲嘆のグループも、トレーニング・グループも、私たちの実践対象です。
また集団におけるコミュニケーションは、対話による言語的なコミュニケーションによるものだけではありません。Group psychotherapyという用語を最初に使用したモレノ(Moreno, J.L.)は、集団での即興劇、サイコドラマを創作し、その過程でメンバーに生じるカタルシスを重視しました。このように集団での演技やダンス等々のアクションを活用する分野もあり、この領域の日本の専門家も私たちの学会で活躍しています。
集団を対象として行うため、誤解されやすいのですが、グループ全体を「良い集団」にすることが目的ではありません。個々のメンバーが、そのグループを体験しながら、自分の症状や行動の問題を解決・改善したり、心身の苦痛を緩和したり、心理的成長の手がかりを得たりすることが目的です。グループは治療の主たる媒体なのです。
私は、精神科病棟の大グループ、長期在院者の退院志向の小グループ、嗜癖の治療グループ、そして精神保健福祉センターでの遺族のグリーフワークのグループなどを経験してきました。
セッションで、あるメンバーの問題をグループ全体で考えていくと、当初は控えめでも、徐々にメンバーが積極的に発言するようになり、問題への共感、自分なりの提案、その問題を通して自分自身への洞察などが話されてきます。時には結論が出ない問いかけもあり、しみじみ感情を共有するだけの時もありますが、グループ全体での現実吟味が進みます。
こうしたグループプロセスを共有することは、支援者にも良い影響があります。
「病む」ということ、「障害」ということはどのようなことか、家族、親子、夫婦とはどのようなものか・・・、その本当のところを一緒に考えていくと、当事者の持つ強さというものもわかってきます。そして、メンバーは自分で考え、セッションで発言し、より主体的になっていきます。こういうところがグループ臨床の醍醐味なのです。
グループプロセスの「良い触媒」となるために、私たちは、集団全体に生じる心理現象、メンバー間に生じる心理的相互作用、集団内のメンバー個人に生じる心理現象などを理解できるように共に学習しています。「集団の治療機序(Corsini, R.J.)」、「治療要因(Yalom, I.D.)」など理論化されているものもあります。
HPをご覧の皆さん、グループを活用してみませんか? 医療職の皆さん、教育職の皆さん、カウンセリングを勉強されている方、地域のサポートグループの方など、一緒に学びませんか?
現在はCOVID-19のため、オンライン使用の学習を余儀なくされていて、対面でのリアルなグループ体験を十分提供できていないのはとても残念なのですが、どうぞ学会の事業においでください。また学会員の方は、引きつづき、相互学習の継続を宜しくお願いします。

2021年5月 田辺等

学会役員及び代議員

理事長 岡島 美朗
副理事長 西村 馨
理事 梶本 浩史 鎌田 明日香 加藤 隆弘 菊地 寿奈美 白柿 綾
神宮 京子 菅 武史 関 百合 高橋 馨 多喜田 恵子
武井 麻子 二之宮 正人 林 公輔 藤澤 美穂
監事 田辺 等 吉野 比呂子
代議員
(地区別)
北海道地区 鎌田 明日香 小山 芳明 山本 創
東北地区 稲村 茂 藤澤 美穂
関東地区 大島 朗生 岡島 美朗 梶本 浩史 小宮 敬子
桜庭 拓郎 柴田 応介 神宮 京子 関 百合
高橋 馨 武井 麻子 藤堂 信枝 徳丸 享
西村 馨 林 公輔 袰岩 秀章
甲信越・北陸地区 奥田 宏
東海地区 多喜田 恵子
近畿地区 菊地 寿奈美 岸 信之 高 富栄 宮城 崇史
中国地区 岡﨑 翼 菅 武史
四国地区 白柿 綾
九州・沖縄地区 坂口 信貴 二之宮 正人 堀川 公平

事業運営組織

事務局 事務局長 高橋 馨
桜庭 拓郎
会 計 多喜田 恵子 白柿 綾
編集委員会 委員長 林 公輔 副委員長 大橋 良枝
大島 朗生 菊地 寿奈美 佐藤 幸江 柴田 応介
神宮 京子 藤堂 宗継 野中 稔 藤澤 希美
袰岩 秀章 松本 佳子
事務局 片上 絵梨子
教育研修委員会 委員長 関 百合 副委員長 加藤 隆弘 鎌田 明日香
地区委員 稲村 茂 岡島 美朗 奥田 宏 鎌田 明日香
白柿 綾 菅 武史 多喜田 恵子 西村 馨
二之宮 正人 宮城 崇史
職域委員 石川 見佳 小川 悠介 小野塚 美和 梶浦 麻琴
加藤 裕介 加本 有希 川口 玲華 久保 浩明
黒江 美穂子 佐藤 裕宗 勢島 奏子 高橋 美紀
田口 明子 藤澤 希美 藤巻 純 松井 朋美
水野 高昌 山﨑 愛実 山﨑 圭実
事務局 卜部 裕介
広報委員会 委員長 菅 武史 副委員長 野中 稔
石川 健太 加藤 裕介 鎌田 明日香 高 玲児
廣瀬 真理 山野上 典子
国際委員会 委員長 神宮 京子
大橋 良枝 前田 潤 水上真理子
渉外委員会 委員長 二之宮 正人
池田 望 大橋 良枝 桜庭 拓郎 藤澤 希美
松井 朋美 吉野 比呂子
組織委員会 委員長 梶本 浩史 副委員長 徳丸 享
石川 見佳 篠崎 絵里 徳田 幸絵 間嶋 崇宏
山野上 典子
倫理委員会 委員長 菊地 寿奈美 副委員長 武井 麻子
池田 望 小川 悠介 白柿 綾 松井 朋美
倫理問題審査委員会 委員長 菅 武史 副委員長 徳丸 享
2025-2026年度研究倫理問題審査委員 卜部 裕介 大川 浩子 大橋 良枝 大森 眞澄 加藤 隆弘
加本 有希 高 富栄 桜庭 拓郎 佐藤 幸江 滝谷 七重
藤澤 美穂 藤巻 加奈子 松尾 真規子 水野 高昌 宮城 崇史
行成 裕一郎
相互支援委員会 委員長 藤澤 美穂
安部 康代 高 富栄 髙林 健示 長友 敦子
橋本 明宏 針生 江美 藤 信子 山本 創

その他のワーキンググループ

実践倫理ワーキンググループ(倫理委員会) 菊地 寿奈美 武井 麻子 池田 望 小川 悠介
加藤 祐介 嶋田 博之 白柿 綾 神宮 京子
垰 雄士 高橋 裕子 松井 朋美
学会誌電子化ワーキンググループ(編集委員会) 石川 健太 大橋 良枝 嶋田 博之 松本 佳子
倫理問題審査委員会規則ワーキンググループ(組織委員会/倫理委員会) 大森 眞澄 高橋 裕子 徳丸 享 間嶋 崇宏

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