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被災地に行く前に/相互支援委員会から

被災地に行く前に
—支援者のメンタルヘルスのために—

日本集団精神療法学会の相互支援委員会は、東日本大震災以降、各地で支援者や被災地への関心を持つ人たちとグループを持ってきました。その経験から、支援者のメンタルヘルスにとって、始める時と終える時の留意点として、次のようなことが大切だと考えています。

a. 出かける前に同僚や家族に支援に行くことへの理解を得ておく。

支援に出かけている間、あなたの職場は欠員の状態です。家族はあなたのいない毎日を過ごすことになります。戻った時に一人にならないために少し準備が必要です。

被災地の時間は日常生活の時間より速く過ぎることが多く、その時間感覚が送り出してくれた人たちと違うかもしれません。被災地での体験のギャップを埋めるために、少しずつお互いの話をする必要があります。支援に出かけたことを理解してくれる人とだからできることでしょう。

b.いつも読む本などを一冊だけ持っていく。

贅沢な話でも、のんきな話でもありません。被災地では、なかなか自分の時間をとることは少ないと思います。寝る前などにいつも読む本や一人でするゲームなどを持っていくことを勧めます。被災地の忙しい時間の中で睡眠を削ってしまい、急性ストレス状態になることを防ぐためにも、意識して日常感覚に戻るための資源ということです。睡眠と食事をできる限り確保することを普段以上に心がけましょう。

c.周りの支援者と話す時間を短くても持つ。

災害によってもたらされた悲惨な状況を見ること、被災者の体験を受け止めようと努めること、慣れない場での身体的疲労のほか、支援者も辛い思いをすることがあります。そのような時、周囲で話ができる人に、自分の体験や思いを話してみることは大切です。また安心できるメンバー内で、移動中や申し送りの機会などに、話をしたり聴いたりする時間を少しでも持つことで、気持ちは結構持ち直すこともあります。

被災地で話せなかったら、帰って同僚や家族に少し聞いてもらうことも良いでしょう。

 

支援に行った体験を話す場面が無い場合、日本集団精神療法学会の相互支援委員会にお問い合わせ下さい。災害とメンタルヘルスについての相互支援グループを開催しています。

→ 日本集団精神療法学会相互支援委員会への、お問い合わせはこちら(メールフォームが開きます)

 

※ この文章のPDFファイルは →こちら