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リレーコラム新企画 No.2 高林さんへの質問とその回答

2022年3月29日

高林さんへの質問とその回答

 

質問:本学会は「相互学習」を基本としていますが、そこには従来型の教育システムを変更・修正する必要性があったのではないかと想像します。当学会の教育研修システムがどのようなプロセスで生まれたのか、その集団力動をふまえて、お聞きしたいです。

ここでは教育研修システムを支えている「CGSミーティング」について述べる。

教育研修システムが誕生し、キャンディデイトの教育研修が始まることになった。体験グループは教育研修委員会が開催するとして、個人のスーパービジョンが出来る会員が必要となり、全会員に呼びかけることになった。当時の会員数は現在ほど多くはなかったが、100名程の応募があった。学会の教育研修を積極的に応援しようという人たちが100名もいたのであった。教育研修委員会には選考の基準があるわけではないので、応募者全員をスーパーバイザーとして認定した。

スーパーバイザーは、どのようにグループを学んでもらうかについて、不安を感じていた。教育研修委員会では、スーパーバイザーを対象とした研修会を開催することにした。そして、同時に、キャンディデイトのための説明会を企画した。私は研修会には参加せず説明会に参加した。教育研修システムの説明をし、質問や意見を聞く場を作ったのであるが、会場に集まっていたキャンディデイトから、グループの学習方法について激しいコンフロンテーションを受けることになった。

スーパーバイザーはレクチャーを受けていたので、私の体験したキャンディデイトの真剣な思いは直接伝えられなかった。私は一人だけで参加したことを反省した。そして、キャンディデイトとスーパーバイザーを別グループに分けたことは間違いであったことに気がついたのであった。それは、教育研修システムに参加した人たちを、最初から意図的にサブグループ化したことであった。「相互学習」ということを掲げて教育研修システムを立ち上げたのであるから、まずは合同のグループを行い、そこでシステムについて説明し意見を聞くことから始める必要があった。

この苦い体験から、スーパーバイザーとキャンディデイトは別々のグループに分けるのではなく合同で開催することにした。後にグループサイコセラピストが誕生し、この会の名称は「CGSミーティング」となり現在も続いている。CGSミーティングは、毎年大会時に行われ、教育研修システムにかかわるキャンディデイト、グループサイコセラピスト、スーパーバイザーが参加して、教育研修システムの運営について話し合っているが、テーマはさまざまに展開していくこともある。「CGSミーティング」は大会時に開催されるアニバーサリーグループとなっていて、互いに学びあう相互研修システムを支えている。

 

日本集団精神療法学会公式HPコラム No.2 2022年3月)

 

 

※PDFファイルで読む →高林さん(コラム2) 

 

広報委員より

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