リレーコラム「グループと私」No.6
テーマ:グループと私
野中 稔
リレーコラムのバトンを受け、自分と「グループ」との出会いや、その後の体験ついても少し振り返ってみようと思います。
私は大学院生の時に、都内のクリニックが実施している勉強会に参加し、グループの勉強会に誘ってもらい、毎回参加するようになりました。その勉強会では、通常のカウンセリングの事例検討や面接での作法についてグループでトレーニングするというものでした。当時は、カウンセリングの勉強をするということが、大学院で学ぶ歴史や理論、知識を得るということとは別の、体験的で実践的な学びの場であり、何とかしがみ付いて参加したという感覚でした。
もともと、大学院生になりたての頃は、対人緊張が高くて、表面だけでコミュニケーションをとっていたので、体験グループに1日参加して、あまり考えずにやっている行動や発言について質問されたり、自分の言葉の意図を説明するのは大変でした。大変ながら、自分が感じたことを話していいと思えたり、勇気をもって言葉にしたことで、自分の気づきにつながる体験をすることができました。自分なりのグループ体験を続けたことで、少しずつ自信につながっていったのだと思います。
私は、このグループに参加することやグループの中で話をすることで培われたものとして、参加者の話を聞くことはもちろん、顔や体の動きをよく見るようになりました。仕事をするうえで、プレゼンテーションをしたり、会議をしたりする際も同じです。1対1の場でも、1対多の場でも、グループを意識しながら話をしたり、聞いたりすることで、違和感に気づいたり、自分の中に違和感がでてきて、それを質問することができることで、問題の本質に近づいていけると感じています。
今、私は産業の分野で働いています。事業環境を含め周囲の環境が大きく変わる時に、自分自身を含めたグループを見ることが重要だと思っています。与えられた役割の中で、取り組み、評価されることになりますが、上司や同僚たちとなるべく話をするようにしています。人間は環境の変化をストレスと感じます。自分は大丈夫だとは思いつつ、怒りや悲しみ、周りの変化に自分の気持ちがついていっているかなど見落とさずに、乗り越えていけるといいなと思っています。日常のなかでも、グループを学ぶことの大切さを感じます。
2026年3月21日(土)、22日(日)に「慶応義塾大学三田キャンパス」で第43回学術大会が行われます。テーマは「グループと私」です。日本集団精神療法学会の大会に参加するようになって、20年以上になりますが、グループを学ぶために参加することはあっても、自分自身とグループについて考え、振り返るために参加してもよいという大会は初めてです。23回学術大会から実施している「こうえん」も大会企画ワークショップとして実施します。出入り自由で、誰でも体験グループとして参加できるグループです。「グループと私」というテーマで「こうえん」にもぜひご参加ください。
日本集団精神療法学会公式HPコラム 2026年2月
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