リレーコラム36 二之宮正人 2020年10月

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学会とグループと私と…

二之宮正人

この学会のある委員会でお世話になっている会員の川口さん(前月コラム)から、次のリレーコラムをお願いできますか?と連絡があった。何を書けば良いのだろう?と戸惑いや、面倒だな、難しいことなんて書けないし、などの思いが次々に沸き起こってはいたが、断ることは考えなかった。その連絡を受けたのが7月、コロナウィルス第2波だろうと思われる最中の時期であった。

人は人によって救われるというどこかで聞いたような語句だが、この集団精神療法学会は節目にある大会や研修会に足を運ぶ自分自身も、何か救われたいという思いがあるということは、自分自身、そうなんだろうとは認識している。

しかし、今年の3月、学会のメインである大会が行われなかった。大会側から今回の大会は行わない旨のメールが届き、え?嘘!どうして?複雑な思いが交錯していた。というのも発表を予定していて、共同発表者とシナリオロールプレイのシナリオの内容を校正したり、準備をしている時であった。資料もそのまま時が止まったかのような、作業中のまま…。共同発表者とも直接会うこともなく、もちろん大会発表での反応も、発表後、共同者皆での振り返りのレビューもなく、発表は成立という不思議な結末となった。

こうした一連のコロナの災いの渦中、学会の会員から連絡があり、突然ではあったが、驚きもだが、嬉しいという感情と混じり合って感じられた。また、世の中が新しい生活ということで、リモートやオンライン化が進められていく中(世の中の変化が早く、私はついていけていない…)、学会と、会員の皆とは繋がっているという感覚が感じられた。そして、このリレーコラムの窓口でお世話してくださっているのが広報の野村さんであり(勝手に名前を出して申し訳ありません)、連絡を入れてほしい趣旨のことも伝えられて、ああ!野村さんかぁ、元気かなぁ?なんて想像したり、こうして大会はないけれど、学会自体は動いていると感じられたし、何よりも、今、現在会員と連絡が取れ、存在やつながりが感じられるだけでも、嬉しさや救われた感覚が持てた。皆さんもそれぞれで活躍しているし、頑張っているんだなと、少し元気をもらったような気がした。

ここで目的として書こうと想定していた話題は、コラムのきっかけの話で字数を割いてしまったが、ここは、学会のトップページであり、学会に興味のある方が見てくれる大事なページであるだろうと考え、会員になろうとしている人がいたら、見てもらいたい内容にしよう、そして学会に入会しようと行動してもらいたい。それを基準に考えていた。

〇〇療法と、集団精神療法とはこういうところで共通点があるとか、〇〇療法で□□という言葉は、今流行の□□は●●が理論で言っている□□と同じではないか、などいろいろ書いてみて、いかにいろんな治療やアプローチと繋がりがあるか、たくさんのことが学べますよ、と紹介したい、そう考えていた。しかし、そんな理論や理屈を伝えるより、上で書いたような、人と人の繋がりが感じられる、そんなこと書いていたらそっちかな、そっちがこの学会の魅力かな?と思うようになった。

職場でこんなことがあり、聞いてほしい。発言や発表に恥ずかしさやハードルが高ければ、聞いているだけでも、自分と同じだ、勇気を持てた、あぁそういうことなんだ!と、発表しても良いし、ただ聞いているだけでも良いし、少しでも救われた、理解が進んだ、そういうメリットがこの学会の良さなのかなと思う。

何々グループの研究だとか、結果はこうだ、というような研究的なことはあるが、いろんな参加、かかわり方で自由に、自分のペースやスタイルで学会やグループにかかわっていける、それで良いと思う。「集団」という名の付く学会だが、ここで自分が集団やグループということをあまり標的として言っていないことにも気づいているが、グループをしなきゃいけないわけでもないし、いつかどこかで、何かの中に自分がいることに気づくと思う。

職場で役に立っているのは、何でも集団やグループの中にいて、自分が今どんな立場で、どう振舞って行ったら良いだろうか?ということは割と、考え過ぎずに、抱え込まずになってきたなあと感じること。いや、でも、まだまだ。学会の体験グループや事例検討で、会員の皆さんの返し方(解釈?)がとても上手く、感心する。

グループや集団療法という現場での実践の中では、スタッフや人によって、意図や認識が随分違うことに気づかされる。その中で、ここでひとまず勉強してきたことは、こういうことではありませんか?と一通りのことは伝えられることができるようになってきたかな?と思う。スタッフ間、部署内のコンセンサスの一助にもなっているかな?とも思ったりする。

少し自虐的かもしれないが、失礼があったら他の会員の方、申し訳ない。この学会はそれほど規模の大きな学会ではないことも幸いなのか、比較的顔の見えやすい、人と(継続して)繋がりやすい、本音も分かる、言える、学会なのではないかと思う。

集団精神療法に興味を持って下さっている方、このコラムで魅力を感じていただいただろうか?また、すでに会員としてご覧になっている方、こんな内容で、間違いはないか、いつか指摘してくださったらありがたい。

(日本集団精神療法学会公式HPリレーコラム2020年10月)

※PDFファイルで読む → リレーコラム36 学会とグループと私と… / 二之宮正人

 

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