リレーコラム40 藤巻加奈子 2021年2月

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〜グループセラピストのHere&Now〜

藤巻加奈子

【注】 私〔主役〕と、私´〔ダブル:もう一人の自分〕のやりとりとしてお読みくださいm(_ _)m

 

:なんかね、このコラム、ずっと書かなくちゃとおもっていながら、書けなくて…。何書いたらいいか、まとまんないんだよね。

私´:ふ…ん。まとまらないんだ。

:うん。何回か書き出したんだけど、どれもしっくりこなくて。

私´:しっくりこない?

:うん。文章を書くって、もともと苦手なんだけど。どれも、独り言というか、誰に向かって書いているんだろうとか、こんなこと、誰が興味持ってくれるんだろうとか考えると、なんか嘘臭くなってしまうって感じかな?日記とかも書いたことないし。

私´:嘘くさい?

:だって、起承転結、全部自分で話始めて、展開して、オチをつけるって、独りよがりじゃない?なんか、リアルじゃないっていうか。

私´:リアルって?

:サイコドラマティストとしては、やっぱり、即興性?先は見えないけど、今ここで頭に浮かぶこととか、体の感じとか、気持ちとか、そういうの、かな?

私´:今のリアルは何?

:今か…。今は、結構すらすらと言葉が出てくるなっていうのが正直なところ。別に内容はないんだけど、なんか、特定の人に向かって話している感じだと、私、言葉が出てくるんだなって、ちょっと、ビックリしてる。…でも、まあ、そうだよね、っていう感じもある。

私´:そうだよね?

:グループが好きって、こういうとこなんだろうなって。

私´:どういうこと?

:だって、グループって、私の話、聞いてくれる人がいて初めて成立するじゃない?その人の存在があって初めて、自分の感情が動くし、その人が何か返してくれるから、そこに反応してまた何かが生まれてくるっていうやり取りが、私にとっては重要っていうか。

私´:それは、グループだけじゃなくて、一対一のやり取りでも生じるんじゃない?何でグループなの?

:そうね…。何でなんだろう?

私´:グループと一対一の違いがあるってことだよね?

:多分…。う…んと…。あ、強いて言えば、全面肯定しなくていいってことかな?

私´:?全面肯定?

:なんか、一対一だと、目の前の人に「すべてOK」でないといけないような、そんな感じがしてるんだと思う。これは私の感覚だけど。ちょっと息苦しいっていうか。その点グループってさ、共感してない人もいるけど、一人でも共感してくれる人がいたら、ちょっとほっとするみたいな?なんか、一対一よりもちょっと緩さというか、遊びがあるみたいな感じ?

私´:遊びね…

:ここで、遊びって言葉が出てくるところが、私、サイコドラマティストなんだなって、勝手に納得したりしてるんだけど。

私´:へえ。

:でも、その前に話してた時のグループは、どっちかというと言語グループをイメージしてたんだけどね。

私´:言語グループと、サイコドラマって、矛盾しないの?

:どうなんだろう?私の中では、両立しているから、矛盾している感じはしないけど。モードは違うような気はするかな。私の中では自然にスイッチしているけど、確かに、リーダーシップの取り方は違うよね。

私´:どう違うの?

:何だろう。私のイメージとしては、言語グループのリーダーは大地って感じ。そこにしっかりといるって感じかな?受け止めるというか、揺るがないというか。サイコドラマのディレクターは、もう少し自由な動きがあるって意味では風って感じ。そよ風から嵐まで、変幻自在な感じ。

私´:ふ…ん。面白いね。

:だね。大地とか、風とか、これまで考えたことなかったよ。ちょっと、発見。…こういうのってさ、一人称で書いてるとたどり着かないというか、いきなり書いたら、カッコつけてるみたいな?引かれちゃうんじゃないかなとか。

私´:このやりとりも十分、引かれちゃうんじゃないの?結局一人でやってるんだし。

:まあ、そうかもね。でも、私的には、書き始めには全く考えてなかった、大地と風のイメージが出てきたからOKかな。ここまで書き直しもしてないし、しないままでもいいかなって思ってるし。

私´:全面肯定じゃん。

:だね。

 

【注】 二人のやりとりをちょっと離れて見ている、ミラー〔客観的な立場から全体を俯瞰してみる人〕と、ディレクター〔サイコドラマの監督〕のやりとりとしてお読みくださいm(_ _)m

 

ディレクター:どうですか?この二人のやりとりは?

ミラー:結局、私〔主役〕も私‘〔もう一人の自分〕もどっちも私だし、独り言、一人芝居なんですけどね。でも、まあ、予定調和じゃないところは面白いんじゃないですかね?

ディレクター:予定調和じゃないところに面白さを感じるんですね。

ミラー:そうですね。集団精神療法でいうところの、Here&Nowっていうんですかね。それを自然に身につけている私〔主役〕って、結構、いい感じに仕上がっていると思います。

ディレクター:いい感じに仕上がっているとは?

ミラー:それなりの期間、集団精神療法、言語グループもサイコドラマもやって来ていて、それなりに集団精神療法の大事なこと、わかってるというか、ちゃんと身についているなって。

ディレクター:私〔主役〕の成長を感じていらっしゃるということですか?

ミラー:そうですね。まあ、成長している部分もあるし、まだまだこれからというところもありますけどね。

ディレクター:これからのところとは?

ミラー:ちゃんと、文章として、自分の考えていることを人に伝えられるようになることですかね。なんか少し、グループセラピスト、実践家だから、という感じで自分を甘やかしているような感じもしますね。

ディレクター:甘やかしている、ですか。なかなか手厳しいですね。

ミラー:そうですかね。でも、そろそろそういう時期、年齢にもなって来ていると思いますよ。

ディレクター:私〔主役〕は、そういう時期、そういう年齢なんですね。ところで、あなたは客観的な視点、立場として、私〔主役〕には、人に自分の考えを伝える力を持っていると思われていらっしゃいますか?

ミラー:そうですね。全くないとは思わないですけど、それをするにはもう少しトレーニングが必要な気がしますけど。やらなきゃいけないんだと思いますよ。

 

【注】 このやりとりはまだまだ続きそうなのですがここで終わります。オチはありません。悪しからず。

 

(日本集団精神療法学会公式HPリレーコラム2021年2月)

※PDFファイルで読む → リレーコラム40 〜グループセラピストのHere&Now〜 / 藤巻加奈子

 

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