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リレーコラム新企画 No.7 私の大切にしていること

2022年10月3日

私の大切にしていること

関百合

2021年から教育研修委員長に就任しました関百合です。相田さん、髙林さん、岡島さんに続いてこのリレーコラムに登壇となりました。研修委員長になってからまだ1年ちょっとの新米なので、回ってこないのではないかと勝手に油断していたら、突然7月中旬に依頼が来てしまい、ちょっと待ってと言ったら8月22日締め切りになってほっとしたのもつかの間、あっという間に甲子園が終わって締め切り日になってしまいました。締め切り日から書き始めるというほとんど小学生の頃の夏休みの悪夢の再来です。

というわけで私はまだまだ新米なので(しつこい)、経験値がありません。なので教育研修委員会についての抱負というか、何を大切に考えながら教育研修委員会にいるか、を書きたいと思います。でも、今書いていることが来年にはすっかり変わっているかもしれませんので、悪しからず。

私がJAGPの教育研修システムに本格的に関わった、つまりキャンディデイトになったのは、ロンドン留学から帰国した2007年のことです。その前の10年間はずっとロンドンでグループアナリシスのトレーニングに明け暮れていたので、JAGPの教育研修委員会立ち上げやその後の経過を知らずにいました。最初に日本の教育研修システムに触れた時の感想は「ゆるい」でした。仕方ありません。それまでガチで余計な仕事もせずに英国流短期促成集中的トレーニング(10年かかったけど)をやってきたのですから。でも今はJAGPのものは「ゆるい」なんてとんでもない。結構きついトレーニングシステムと思っています。その理由は、英国流は同期がいて競争しながら助け合って、やらないといけないタスクががっちりあって、悪く言えばそれさえクリアすれば「セラピスト」のお墨付きがいただける。日本の場合は同期もいないし、競争もないし、タスク達成よりも実質自分がグループセラピストとして十分なのか?ということを常に自己に問いかけざるを得ないシステムに見えるのです。これは大変です。こういう大変なシステムを運営している教育研修委員会は責任重大なわけです。

というわけで今私が大切にと思っていることは、いくつかあります。

まずここまで受け継がれた教育研修委員会の経験の積み重ねをいかに今後に生かしていくかです。幸いにして、鎌田明日香さん、加藤隆弘さんのお二人が副委員長に、また卜部裕介さんが事務局になって、これまでのシステムについて色々教えてくださりとても助かっています。職域委員や地区委員の方々からもサポートやご意見をいただけるので安心しています。

次に大切に思っていることは、キャンディデイト、グループセラピスト、スーパーヴァイザーの三者の方々、そしてこれから学ぼうという方々の参加とコミットメントをいかに広げるかです。前に太田裕一さんがツイッターで「集団精神療法の体験グループはすごい。いろいろな人のコンダクターシップを見ることが出来るなんて、個人療法ではありえない」と書いておられました。体験グループだけではなく、事例やワークショップ等、いろいろなセラピストの癖ややり方や工夫や関わり方を学べる良い機会だと思うのです。今後はできればCGSミーティングには参加するけれど研修会には参加しないという方でも参加しやすい研修会にしていきたいと思っています。そのためには、Zoomを使ったリモート研修も今後考慮に入れていくことになると思います。

最後に、大切に思っていることは、一つの技法に偏らず様々な技法を知っていきたいということです。集団精神療法は患者さん・クライエントさんの役に立つための技法として発達した精神療法の一つです。その中にはサイコドラマ、分析的集団療法、エンカウンター、SST、SCT等々と集団精神療法の様々な技法があります。全部に精通することはできないけれど、少しでも知っていたら、自分の患者さんを紹介することが出来るかもしれない、あるいはほかの技法を知っている人に自分のグループに来てもらうことが出来るかもしれない。そういう思いで、今後、少しずつ研修会にワークショップとして取り入れていきたいと思っています。

長くなってしまいました。ここまで読んでくださってありがとうございます。

 

※PDFファイルで読む →私の大切にしていること(関百合)